九州大学生体防御医学研究所・エピゲノム制御学
2012年から4年間は、母校へ戻り、生体防御医学研究所の佐々木裕之研究室で発生、遺伝学についての研究を行いました。佐々木研究室は、国立遺伝学研究所から九大へ移転してきたばかり。全国から研究者が集まり、NatureやScienceといった一流科学誌に多くの論文を発表している、まさに世界トップクラスの研究室でした。
私が、一柳健司教官(現・名古屋大学教授)のご指導の下、担当したテーマは、『マウス雄性生殖細胞の発生過程におけるレトロトランスポゾンのエピジェネティック制御機構』についてです。piRNAという小分子RNAとDNAメチル化が共調してレトロトランスポゾンの転移を抑制する機構についてのゲノム網羅的な解析を行いました。生殖細胞は、減数分裂をします。次世代シークエンサーを用いた解析の結果、発生の時期によって、レトロトランスポゾンのエピジェネティック制御機構がダイナミックに変化していくことを発見し、報告しました。
海外からも多くの研究者や留学生が来ており、イギリス・ブリストル大学からの留学生Michael Glinkaと一緒に実験を行いました。論文も共著で投稿することができました。いつも一緒にいたので、頼りになる海外の友人となりました。
生命科学の最先端研究の一端を垣間見ることの胸の高鳴りや世界中の研究者との討論で受ける刺激など、想像を超える経験をさせていただきました。
紫綬褒章を受章された佐々木裕之教授とご一緒に写真を撮っていただきました。
次は、原三信病院での循環器診療です。