血栓予防の日
明日は二十四節気のうち、1年で最も寒くなる「大寒」となります。
1月20日は「血栓予防の日」と制定されています。
冬は、血栓症のリスクが高まり、心筋梗塞、心不全や脳卒中など、心臓や血管の疾患が最も増える季節です。血栓症の予防には、動脈硬化の原因となる血圧、血糖、中性脂肪やLDLコレステロールの上昇を抑え、血流をよくするバランスの良い食事や適度な運動が大切です。
今回は、国立がん研究センター、国立循環器病研究センターなどの共同コホート研究であるJPHC Studyより入浴と循環器疾患の関連を調べた研究(Heart.2020 May;106(10):732-737)を紹介します。
毎日湯船に浸かっている人は、虚血性心疾患35%、脳卒中26%リスクが低下していた。
40~59歳の男女、循環器疾患及びがんの既往のない30,076人を約20年間追跡した調査です。入浴頻度と虚血性心疾患・脳卒中発症リスクとの関連を調べています。
浴槽入浴が「週2回以下」の群と比較して、「週5回以上」の群の虚血性心疾患発症リスクが35%低下していました。また、脳卒中の発症リスクは26%低く、病型別にみると脳出血で46%、脳梗塞で23%の低下がみられました。入浴することにより、体温が上昇し、心臓の収縮力や循環血液量の増加などを引き起こすことが、運動をするのと同じような作用で循環器疾患の発症リスク低下と関連したのではないかと述べられています。
(1)Habitual tub bathing and risks of incident coronary heart disease and stroke. Ukai T, et al. Heart 2020;106:732–737.
冬の血栓症についてはこちらも参考にされてください
大濠内科