日本脈管学会総会_新規糖尿病治療薬と心血管疾患

第64回日本脈管学会学術総会(10月26-27日、横浜)に参加しました。

動脈硬化(病態・診断・治療)のセッションにて、【新規糖尿病治療薬GIP/GLP1RAによるアテローム動脈硬化性心血管疾患ASCVD高リスク症例の薬物治療】のテーマで学会発表を行いました。

座長の前村浩二先生(‌長崎大学循環器内科学)よりGLP-1作動薬およびGIP/GLP1作動薬の効果の違いや心不全・睡眠時無呼吸症候群の合併の際の効果や今後の期待についてのご質問を頂きました。

脈管学会は、血管外科、循環器内科、放射線科など様々な領域から脈管学(動脈・静脈・リンパ管)についての最新の知見を発表する会で、動脈硬化(大動脈瘤・大動脈解離)、静脈血栓症、静脈瘤についての最新の脈管学を幅広く学ぶことができました。

論文紹介

糖尿病の治療において、体重減量が果たす役割は非常に大きく、15kg以上の減量を達成したグループでは、86%の糖尿病寛解を得たと報告されています(DiRECT試験)。糖尿病の寛解のためには体重減量が重要であり、治療薬の選択には体重への影響を考慮することが必要です。

糖尿病治療薬ごとの体重へ与える影響を示した結果です。

アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)高リスクの糖尿病症例において、体重へ与える影響を考慮した治療が大切です。

(参考文献)
Primary care-led weight management for remission of type 2 diabetes (DiRECT): an open-label, cluster-randomised trial. Lancet. 2018 Feb 10;391(10120):541-551.
Benefits and harms of drug treatment for type 2 diabetes: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ 2023;381:e074068

大濠内科

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です