WEB講演会_脂質代謝
『小分子RNA機構と脂質代謝の遺伝学ー食事、運動、薬物療法Up to Date』という演題名でWEB講演会を行いました。
講演の中で、高LDLコレステロール血症が、生活習慣か遺伝かというテーマを中心に遺伝子診断の意義やsiRNA医薬という最新の薬物療法を紹介しました。
いつも地域連携でお世話になっている九州医療センター循環器内科の村里嘉信先生と冠動脈疾患予防のための脂質管理について、ご一緒に話をする機会をいただき、大変有意義な講演会となりました。
論文紹介
脂質異常症、高血圧症、糖尿病は生活習慣病と言われる疾患ですが、遺伝の影響がどうか?という視点で日本人のゲノムデータをまとめた論文を紹介します(Nature Genetics 2020)。これらの疾患は、多くの遺伝背景に生活習慣が合わさって、発症する多因子疾患であることが分かります。
一方で、高LDLコレステロール血症の中にはLDL受容体やPCSK9という遺伝子の変異による単一遺伝子疾患があり、これが家族性高コレステロール血症です。アキレス腱エコーを用いて適切な診断をしたり、遺伝子診断をすることで、冠動脈疾患のリスクを把握して予防することが大切です。
『健診でコレステロールが高いと指摘された』、『動脈硬化の程度やリスクが知りたい』、『心筋梗塞の家族歴がある』、『体質的にコレステロールが下がりにくい』など、循環器内科にご相談ください。
(参考文献)Population-specific and trans-ancestry genome-wide analyses identify distinct and shared genetic risk loci for coronary artery disease. Nature Genetics volume 52, pages1169–1177 (2020)
大濠内科