栄養指導ツールDASH食『あいうえお成分表』

2024年10月12日(土)から14日(月)まで福岡国際会議場にて開催された第46回 日本高血圧学会総会において、【DASH食を実践するための栄養指導ツール『あいうえお成分表』の作成】について発表しました。

DASH食を実践するための栄養指導ツール『あいうえお成分表』の作成 

主な対象疾患:高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病
期間:令和3年5月1日から令和6年8月31日
症例:1000件の外来栄養指導を施行した
概要:日本循環器学会心不全療養指導士、日本糖尿病療養指導士の資格を持つ管理栄養士が栄養指導を担当した

背景:
・ DASH食 (Dietary Approaches to Stop Hypertension)は、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2019において、生活習慣修正による降圧効果が認められるため、減塩と合わせて推奨されている。
・ 減塩においては、「塩分チェックシート」(1)や各自治体の「あいうえお塩分表」などが用いられている。一方で、本邦において、DASH食を指導する際の栄養指導ツールは開発されていなかった。そのため、DASH食実践のための「あいうえお成分表」を作成した。
・ DASH食は、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、たんぱく質、食物繊維を豊富に含む食事である(2)。当院では、「あいうえおカリウム表」、「あいうえおカルシウム表」。「あいうえおマグネシウム表」、「あいうえおタンパク質表」、「あいうえお食物繊維表」を作成した。

まとめ
・ 「あいうえお成分表」を栄養指導に活用することでDASH食の理解と実践のサポートを行っている。
・ 50音の50種類の食材の栄養成分を供覧することが食習慣の評価や栄養指導の理解が深まることに繋がっている。
DASH食は、高血圧の治療のための降圧効果を筆頭に心不全や糖尿病、腎臓病の食習慣としても推奨されるようになってきている(3)。
・ これらのツールを用いた栄養指導は今後も活用の範囲が広がっていくことが予想される。
・ 当院で実際に行っている栄養指導におけるDASH食実践のための「あいうえお成分表」の活用と有用性について報告した。

(参照文献)
(1) 血圧(1340-4598)20巻12号 Page1239-1243
(2) Hypertension. 2018 Jun;71(6):1269-1324.
(3) Am J Clin Nutr. 2023 Aug 19;S0002-9165(23)66077-0.

大濠内科