あいうえお亜鉛表

第11弾!あいうえお亜鉛表を作成しました

亜鉛は体内で作ることができない「必須微量ミネラル」で、歯、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれます

酵素の構成や活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、タンパク質合成、免疫反応の調節などに作用します。また、味蕾細胞を産生する働きもあります

亜鉛はクエン酸やビタミンC、動物性タンパク質と一緒に摂ることで摂取効率が上昇し、植物性食品に含まれる食物繊維やフィチン酸、加工食品に多く含まれるポリリン酸は亜鉛の吸収を妨げることがあるので注意が必要です

また、アルコールによって亜鉛の排泄量が増加します

亜鉛が不足すると、貧血、味覚障害、皮膚炎、免疫機能低下など様々なリスクが高まるので、あいうえお亜鉛表も見ながら日々の食習慣を見直してみましょう

論文紹介

味覚障害には亜鉛不足が関係していることがあります。今回は、味覚障害と脳卒中の関係についての論文を紹介します。

味覚障害のある方では、脳卒中リスクが約2倍であったとの報告です(1)。

また、加齢に伴い血清亜鉛濃度は低下することが報告されています(2)。味覚障害があると味付けが濃くなり、塩分摂取過多になることや食事の偏りから栄養バランスが悪くなることなどが、脳卒中リスク上昇と関係します。亜鉛摂取や味覚障害の予防のための食事や舌・口腔内の評価については、管理栄養士と歯科衛生士にご相談ください。

(参考文献)
(1) JACC Asia. 2024 Apr 9;4(6):483-492. Perceived Taste and Olfactory Dysfunctions and Subsequent Stroke Risk
(2) Scientific Reports. volume 14, Article number: 2791 (2024). Demographic and clinical characteristics of patients with zinc deficiency: analysis of a nationwide Japanese medical claims database

大濠内科  歯科医師  井上 麻乃