心臓弁膜症講演会
昨日は、心臓弁膜症の講演会に参加してまいりました。
済生会福岡総合病院での心エコー検査や経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)など最先端の弁膜症診療についてお聞きし、心エコー検査実施時の診断手法や運動負荷の意義を学びました。特に大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療の進歩の凄さを目の当たりにして、治療の効果と今後の適応拡大に大いに期待が膨らみます。参加いただいた先生方からもたくさんのご質問が出て、大変盛り上がる有意義な地域連携の会となりました。
論文紹介
心不全はあるゆる循環器疾患によって引き起こされる疾患で、高血圧、虚血性心疾患、不整脈、弁膜症、COPD、睡眠時無呼吸症候群などが原因となります。それら原因疾患ごとの心不全の予後を調査した論文を紹介します。この研究では、弁膜症、肺気腫、睡眠時無呼吸症候群が原因の心不全で1年後の予後が特に悪かったという結果でした。弁膜症による心不全では、高血圧が原因の心不全と比較してハザード比1.88と全死亡・心不全入院のリスクが高くなっています。
弁膜症は、息切れやむくみ、健康診断で心雑音を指摘されたことで受診され、心エコー検査で診断されることが多い疾患です。弁膜症や不整脈、心不全など聴診で分かることもありますので、循環器内科での心音チェックをお勧めします。
(参照文献)Clinical phenogroups are more effective than left ventricular ejection fraction categories in stratifying heart failure outcomes. ESC Heart Failure 2021;8: 2741–2754
大濠内科