糖尿病の心血管イベント_ビタミンB12と葉酸について

 2型糖尿病患者において、心血管疾患による死亡のリスクには、血清ビタミンB12値と血清葉酸値が関連していることを報告した前向きコホート研究を紹介します。これまで、2型糖尿病患者では、栄養の偏りやメトホルミンによるビタミンB12欠乏の頻度が高く、血中の葉酸濃度も健常者に比べて低いことが多いことが報告されています。

血清ビタミンB12値と心血管リスク

 ビタミンB12に関しては、4つのグループに分けたうち最も心血管イベントが少なかったグループ(Vit.B12:369.1~506.0pg/mL)と比べて、血清ビタミンB12が最も少なかったグループ(369.1pg/mL未満)で1.74倍、血清ビタミンB12が最も多かったグループ(703.5pg/mL以上)で2.32倍と、ビタミンB12低値群でも高値群でも心血管リスクが高くなっています。

血清葉酸値と心血管リスク

 葉酸に関しては、 4つのグループに分けたうち最も心血管イベントが少なかったグループ(葉酸:7.1~12.1ng/mL)と比べて、血清葉酸値が最も少なかったグループ(7.1ng/mL未満)で1.43倍と、葉酸低値群で心血管リスクが高くなっています。葉酸欠乏では、動脈硬化に関連するホモシステインの上昇が関与していることが考えられます。

 ビタミンB12や葉酸の欠乏では、心血管疾患だけではなく、貧血や末梢神経障害の原因になることもあります。適切な血清ビタミンB12および葉酸値を保つためには、『魚、海藻、きのこ』などバランスの良い食事が大切です。

参考文献:

Associations of Serum Folate and Vitamin B12 Levels With Cardiovascular Disease Mortality Among Patients With Type 2 Diabetes 

JAMA Netw Open. 2022;5(1):e2146124.

大濠内科

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