アルコールの適正量を知りましょう

こんにちは、看護師の中村です:ぽっ:

飲酒が引き起こす生活習慣病として高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症、肝障害、膵炎、食道がんなどが挙げられます。
また、高血圧に関しては、飲酒量が多くなるほど頻度が増えることが報告されています(1)。

このように飲酒量と病気は密接に関係があります:ビールで乾杯:
そのため、今回は「どのくらいのアルコール摂取量が適切か」をテーマにさまざまなお酒の純アルコール量をまとめてみました。

一覧を元に飲酒量を振り返ってみましょう:星2:

【論文紹介】

(1)Association of Habitual Alcohol Intake With Risk of Cardiovascular Disease JAMA Netw Open. 2022;5(3):e223849.

アルコールと心血管病の関係に関する最新の論文です!
<背景>
これまでのコホート研究にて10drinks/wk程度までは、心血管リスク上昇に影響がないと言われていました。しかしながら、飲酒と心血管疾患の間には多数の交絡因子が存在し、生活習慣の関与を取り除く必要があります。
<対象>
英国37万人のデータです。
<方法>
Mendelian Randomizationという遺伝子変異を基準にして飲酒と心血管疾患の因果関係を解析する手法を用いています。
<結果>
飲酒量が増えるほど、『高血圧、冠動脈疾患、γGTP、LDL-C、SBP(収縮期血圧)、DBP(拡張期血圧)』が上昇しています。

<考察>
コホート研究では、BMI、運動習慣、野菜摂取、赤身肉、CRP、喫煙などの交絡因子を排除して解析されていましたが、交絡因子をすべて排除するのは不可能です。今回の研究では、遺伝子変異を基準にして解析することで、生活習慣の影響を考えなくて良い点が特徴です。

<感想>

『血圧コントロールが難しい』、『健診で肝機能障害を指摘される』、『LDLコレステロールがなかなか下がらない』など気になっている方は、アルコールの摂取量を振り返ってみると良さそうです。

この論文のデータでは、飲酒量とそれに応じた収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、γGTP、LDLコレステロールの上昇の程度が分かります。目標の血圧、肝機能、LDL-Cごとのアルコール摂取量の目安を設定することができますので、ご相談ください。

大濠内科

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