心不全療養指導士勉強ノート_スワンガンツカテーテル
14回目は、スワンガンツカテーテルについてです
スワンガンツカテーテルは、心疾患を中心に右心機能や血行動態を評価するために使用されているカテーテルです。
カテーテルの先端にバルーンが付いているバルーンカテーテルの一つで、心機能の測定に使われています。右心系と肺動脈楔入圧および心拍出量の測定が可能です。フォレスター分類を求めるときに使用し、肺うっ血や低心拍出の判断に使用します。
論文紹介
右心カテーテル検査が必要な疾患には、右心系の疾患、すなわち肺高血圧症があります。そして、前回の心不全療養指導士勉強ノート_睡眠時無呼吸症候群の回で記載したように日本循環器学会の睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドラインによると睡眠時無呼吸症候群を最も合併する疾患の一つが、肺高血圧症です。
今回は、呼吸と循環の関係についての Lancet Respiratory Medicine誌の総説を紹介します。
閉塞性無呼吸により繰り返し高度の胸腔内陰圧になること、低酸素かつ高CO2血症、交感神経活動活性亢進、RAAS亢進、炎症、代謝障害(インスリン抵抗性)、血栓・血小板活性化が引き起こされます。これらが心・肺・血管系に与える影響により、高血圧・糖尿病・不整脈・心不全・脳卒中が引き起こされます。中でも、肺高血圧へ与える影響が大きく、心臓超音波検査や右心カテーテル検査での評価が必要になります。
(参考文献)Obstructive sleep apnoea and cardiovascular disease. Lancet Respir Med. 2013 Mar;1(1):61-72.
大濠内科 歯科医師 井上 麻乃