心不全療養指導士勉強ノート28回目
第28回目は、感染性心内膜炎についてです
感染性心内膜炎は心臓の中にある 弁・腱索・壁に細菌がくっつき感染を起こすことです
菌血症とは、血流の中に細菌が存在する状態のことです
敗血症とは、菌血症か他の感染症を起こしている細菌が増殖し炎症をおこすことで臓器が障害され重篤な全身の臓器の機能不全が起きている状態です
細菌が出す毒素によって体内の細胞が炎症を誘発する物質(サイトカイン)を放出すると敗血症になります
歯科処置による菌血症の発症率は、
抜歯 18~100%
智歯抜歯 55%
スケーリング 8~79%
歯周外科 36~88%
感染根管処置 42%
ラバーダム装着 29%
ブラッシング 23%
咀嚼 38% となっています
歯科治療は菌血症を起こしやすいので抗菌薬の予防投与が必要となります
高度リスク群は
生体弁、機械弁による人工弁置換/弁輪リング装着
IE既往の方です
予防的抗菌薬を強く推奨されます
◆予防的抗菌薬投与を行うことを強く推奨する治療としては
歯科では
出血を伴い菌血症を誘発するすべての侵襲的な歯科処置 (抜歯/歯周外科/インプラント/スケ―リング/感染根管処置)
扁桃・アデノイド摘出
ペースメーカ・植込み型除細動器植込み術となっています
(参考文献)感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)
大濠内科 歯科医師 井上麻乃