あいうえおビタミンK表

第6弾!あいうえおビタミンK表を作成しました:ピカピカ:

ビタミンKは、脂溶性ビタミンの一種で、動物体内で血液の凝固や組織の石灰化に関わっています。
血液が凝固するのには、プロトロンビンなどの血液凝固因子が必要ですが、プロトロンビンが肝臓で生成されるときに、補酵素として働くのがビタミンKです。
ビタミンK欠乏:右矢印:血液中のプロトロンビン減少:右矢印:血液凝固に時間がかかる:右矢印:出血傾向
ビタミンKは、緑の食べ物、野菜に多い印象で:ブロッコリー:、果物にはほとんど入っておらず:スイカ:、まぐろ、えのき、里芋、玉ねぎなど:タマネギ:入っているかと思ったものにも入っておらず0μgでした。

【納豆】
納豆には多くのビタミンKが含まれています。さらに、納豆菌は腸内でもビタミンKを産生するので、納豆に含まれている以上の量のビタミンKを摂取してしまうことになります。納豆100g(2パック)を食べることでワーファリンの効き目がほぼなくなってしまい、すぐには元に戻りません。

【青汁】
多くの栄養分を簡単に摂取することができる青汁ですが、青汁に使用されている緑黄色野菜にはビタミンKが豊富に含まれています。

【クロレラ】
クロレラは緑色の藻の仲間で栄養を豊富に含んでいて、乾燥させたものが健康食品として使用されています。これにもビタミンKがたくさん含まれています。

この3種類の食べ物はワルファリン内服中の方は禁忌とされています:コメ印: 先述の通り、血液が固まるにはビタミンKが必要なのですが、ワルファリンは、そのビタミンKの働きを妨げることにより、血液を固まりにくくします(=血栓つくらない)。       

論文紹介

今回は、野菜の抗血栓作用についてその作用機序を解析した論文(ACS Cent Sci. 2024)を紹介します。

植物由来の食品が血栓症を予防する仕組み

ブロッコリーが持つ23種類の電気求核性植物由来の化合物と血小板との不可逆的な関与を探り、『ブロッコリーはスルフォラファンの特異的な抗血小板選択性を介して、rtPAの血栓溶解活性を高める』ことが示されています。

野菜の抗血栓作用機序

スルフォラファン(SFN)は、アデノシン二リン酸(ADP)やトロンボキサンA2受容体作動薬に対する血小板反応を阻害する。また、動脈流条件下での血小板血栓形成を実質的に減少させる。プロテインジスルフィドイソメラーゼA6(PDIA6)がSFNの迅速な動的応答体であることが特定された。血栓症の電解質損傷モデルでは、SFNは組換え組織プラスミノーゲン活性化因子(rtPA)の血栓溶解活性を高めることが示された。

血栓症の診断や予防のための食事の摂り方などは、循環器内科へご相談ください。

(参照文献)Integrating Phenotypic and Chemoproteomic Approaches to Identify Covalent Targets of Dietary Electrophiles in Platelets. ACS Cent Sci. 2024 Jan 29;10(2):344-357.

大濠内科  歯科医師  井上 麻乃