睡眠検定

正月休みに睡眠検定1級(日本睡眠教育機構)を受験しました。

循環器疾患の予防のために、食事・運動・口腔ケアに加えて、睡眠(主に睡眠時無呼吸症候群)の治療に力を入れています。2023年に日本循環器学会から新しいガイドライン(2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン)が発表されるなど循環器領域でも関心が高まっている分野です。

睡眠に関する知識の再確認のために睡眠検定1級を受験してみました。合格証書と合格証カードをもらいました。

睡眠検定の学習に用いる参考教科書は、日本睡眠教育機構監修 睡眠検定ハンドブックです。

睡眠検定ハンドブック 日本睡眠教育機構監修 

論文紹介

健康な睡眠は循環器疾患(虚血性心疾患や脳卒中)のリスクを減らしてくれることを示した論文を紹介します。この研究では、健康な睡眠をHealthy sleep scoreという指標で数値化し、心血管疾患(Cardiovascular disease, CVD)、冠動脈疾患(Coronary heart disease, CHD)、脳卒中(stroke)のリスクが、最も健康な睡眠によって34-35%低下することを報告しています(1)。

このように睡眠と心血管疾患には大きな関係があります。1日のうち3分の1は睡眠時間ですから、睡眠の習慣で循環器疾患発症までの期間が縮まってしまうこともあります。不眠症で男性4年、睡眠時無呼吸症候群で女性7年、男性6年の寿命が縮まるという結果でした(BMC Med. 2023; 21: 75.)。

さらに、睡眠は記憶の定着のためにも大切です。この研究は、就寝前にタイピングの記憶テストを行い、翌朝に認知機能(学習・記憶・作業)の上昇を確認したところ、閉塞性無呼吸のある群では、認知機能の上昇がみられなかったという報告です(3)。

当院の診療では、睡眠時無呼吸症候群の方へのマウスピース作成やCPAP管理など行っています。

(参照文献)
(1) Sleep patterns, genetic susceptibility, and incident cardiovascular disease: a prospective study of 385 292 UK biobank participants. European Heart Journal, 41, 11, 2020, Pages 1182–1189
(2) Influence of poor sleep on cardiovascular disease-free life expectancy: a multi-resource-based population cohort study. BMC Med. 2023; 21: 75.
(3) The Impact of Obstructive Sleep Apnea on Motor Skill Acquisition and Consolidation. Journal of Clinical Sleep Medicine, Vol. 10, No. 5, 2014

大濠内科

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